大企業を対象として、会社がパワハラ防止措置をとることを義務付ける
法律(労働施策推進法)が施行されており、これは来年4月から中小企業を含めて全面適用になります。
これまでもセクハラ・マタハラ防止の措置義務はあったので、これにパワハラ防止措置を
加えた形となります。
やるべきことは、
① 防止に対する取り組みをする事業主の意思表示
② ハラスメント防止の啓蒙・社員教育・研修の実施
③ 相談窓口の設置
④ 相談があった場合に、従業員のプライバシーに配慮した迅速な対応
⑤ 行為者に対する適切な対応
です。
*詳細は厚生労働省が示すにあります。
ハラスメントが社内にあることで
① 社員の離職
② メンタル不調等による休職者の発生
③ 就活サイト等に書き込まれ人材確保が困難になる
といったリスクがありますし、そもそもハラスメントは他人の人格を踏みにじる行為であり、
やってはいけない行為だということを共有する必要があります。
私自身も昭和型の人間なので、「昔はこんなこと普通にあったよね」と思うことが多々ありますが、
時代の流れととのに求められるモラルが高度化している実態があります。
また、私が就職をした時代は新卒採用がほとんどで、皆が同じ会社の中で時間を過ごし、
殆どの人たちが定年まで勤めあげる前提で働いていたため「もめ事を起こしたくない」という
気持ちが生まれ、それが大きなトラブルになることにブレーキをかけていたのではないでしょうか。
それが今は簡単に裁判になったり、ちょっとしたことで「ハラスメントだ」と騒ぎ立てられてしまいます。
「昔は良かった」と言うわけではないですが、部下を持つ方にはいったん昔の記憶を忘れ、
より部下に配慮をしつつ、自分の言動がそれでよいのかを定期的に振り返る必要があるかもしれません。
一方で、部下の立場の人たちにも「厳しいことをいわれたらすぐにハラスメントだ」と思うのではなく、
なぜ相手がそのようなことを言うのか、原因は何なのか、何のために言ってくれているのかの真意を
考えてもらいたいところです。
本来は上記のような「社会人として当然理解していなければならないこと」を知らず・身につけずに
育ってきてしまった人が増えているのが現状かもしれません。
また、昔は社内の上司と部下または先輩と後輩による飲みニケーションの場を通して
このような意識情勢がなされてきたところ、今はこういった関係性も薄れてきてしまったのでしょう。
ともあれ、社内研修というと大事のようになってしまいますが、会議の場などを通じて
・ハラスメント防止に関心をもつ
・何がハラスメントにあたるのか
といった点から社内で意識共有を進めてみては如何でしょうか。