パート労働者等への社会保険適用促進のために
政府が打ち出した「年収の壁・支援強化パッケージ」の詳細が発表されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
全体像が見えずらいので、個人的に以下へまとめてみました。
1.支援の目的
・パート労働者への社会保険適用拡大の促進
・パート労働者の勤務可能労働時間数の上限突破
2.目的実現の具体方策
・労働者の手取り減にならないために、企業に対し保険料相当額の手当支給を促す
→ 企業によっては新たに社保加入した労働者に対する社会保険料負担 & 手当支給により負担増
→ 企業の負担増に対する助成(補填)として
① キャリアアップ助成金の要件緩和
② 社会保険促進手当を社会保険料適用除外賃金とし、2年間に限り負担軽減
3.目的とは逆の方向性を考える(なお配偶者の扶養の範囲(年収130万円未満)で働きたい)
パート労働者への対応
→ 一時的な残業増により年収が130万円を超えても、事業主の証明により配偶者の健康保険の
被扶養家族を継続することができる制度の創設(2025年までの時限措置)
これらの制度は、2025年の年金制度改革に向けて、短時間労働者にもできるだけ社会保険に
加入してもらうための事前措置ともいえます。
一旦社会保険に加入してしまえば「年収の壁」などは気にせずに働けば働くほど労働者の収入は増え、
同時に政府としては社会保険料徴収額の増加にもつながります。
その為には企業の協力(事業主負担分の社会保険料の負担増も含め)が必須であることから、
助成金を準備して協力を促す政策とも言えます。
但しあくまでも「企業が儲かる」という趣旨の助成金ではなく、一時的な補填に過ぎない助成金であること、
なによりも自社としてパート労働者に何を求めるのか、フルタイム労働者との役割の違いなどを
考えたうえで、本制度を利用するかどうかを選択された方が良いと思います。