先日、大学時代の同級生から転職の相談を受けました。
同級生なので私と同年代、つまり50代前半です。
一昔前であれば、サラリーマンにとっては一番給与が高くなる年代でした。
おおよそ50代半ばをピークとして、55歳や57歳で役職定年により賃金カーブが下がり始め、
60歳定年、その後は嘱託社員等にて再雇用されるか別の会社に再就職するかというのが多く見受けられました。
年功序列型の賃金が主流ではなくなっている現在においては、
「50代前半が一番給与が高い」とは一概に言えない状況になっていますが、
あまりこの年代の転職する方の割合は多くないのであろうと考えていました。
そこで具体的な実態を確認するために、リクルートが実施した「ミドル世代の転職同行」の資料の中から、
40~59歳のミドル世代の転職の状況と転職の際の賃金推移を見てみました。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2024/0930_14763.html
すると、
・2023年度のミドル世代の転職者数は、2014年度の5.0倍に急増。
なお、同期間の全世代における伸び率は2.7のため、ミドル世代の転職が突出している。
・ミドル世代で転職により前職と比べて賃金が1割以上増えた者の割合は、
2014年度の15.6%から2023年度で27.4%と、11.8ポイント増加している。
といった傾向が見て取れました。
この年代は、会社の管理職も多く、また熟練作業者として活躍する方も多い年代です。
こういった人材の流出防止を図るためには、初任給や平均賃金だけでなく、
世代別の賃金動向などにも留意しつつ、賃金決定を行う必要があるかと思います。
令和7年 3月 6日