調査の冒頭で監督官に聞いておくことはなんでしょうか?
また、監督官からよく聞かれることはなんでしょうか?
それぞれについて、以下に説明させて頂きます。
まずは、調査の目的について聞いてみましょう。
「なんでウチに調査が入ったんだろう?」
「もしかしたら先日の労災事故と関係があるのかな?」
などと、勘繰っているよりは、直接聞いてしまいましょう。
監督官が正直に答えてくれるかどうかは別として、定期監督なのか、申告監督なのか、災害時監督なのか、それによりある程度的を絞って進めることができます。
ただし、監督官から「定期監督です。ご安心ください。」と言われても、気を抜かないようにしましょう。明らかに申告監督であったにもかかわらず、冒頭にこのように伝えてきたことも数度ありました。
また、定期監督との回答であった場合、「なぜウチの会社が対象になったのですか?」とも聞いてみましょう。
おそらく監督官の解答は、「定期的に管轄内の事業所を順に対象としています」や「現状○○業の会社さんに対して、重点的に調査を進めています」といったものです。
このように疑問に感じていた事項については、冒頭で監督官に確認してしまった方が良いでしょう。
ただし、多かれ少なかれ聞かれたくないこともあるでしょうから、このようなことについては当然、監督官から聞かれない限り自ら伝える必要はありません。
あくまでも定期監督の場合ですが、以下のように進められることが多いようです。
1.~3.あたりについては、すぐに答えられるようにしておきましょう。
その他の事項や準備資料の詳細について自身で把握していない場合は、実務担当者を在席させておき、いつでも確認ができるようにしておいた方が良いと思います。
個々の資料に関するチェックポイントについては、次のページにて詳しく説明します。
調査におけるチェックポイント
初めて監督署の対応を行うことになった会社の担当者から、以下の質問を受けたことがあります。
「監督官が来たとき、最初に何を話せばいいんですか?」
「雑談や世間話から入った方が良いのでしょうか?」
「そっけない態度を取ったりしても、問題ないでしょうか?」
初めて監督署対応を行うことになった場合は、勝手がわからず身構えてしまうこともあるかと思います。
監督官も当然「人の子」ですので、世間話や天候・景気に関する話題から始めてもらっても、なんら問題ありません。
むしろ本題と違う話から始めて、ある程度監督官との距離感を縮めておくべきでしょう。
ここでそっけない態度をとってしまうと、監督官も「何か隠しごとをしているのか?」と勘繰られてしまうかもし得ません。
ただし、監督官が来ている目的は「調査」に変わりはないですし、労働行政のプロです。
「最近の業績は如何ですか?」「従業員の採用が大変じゃないですか?」など、雑談から徐々に調査に関する話題に移っていくことになりますので、気を抜かないようにしましょう。