ここでは、実話に基づき社労士とある会社の社長とのやりとりを、会話形式で紹介します。
田中社長が経営者の集まりで「辞めさせた社員が未払い残業代を払えと行ってきた…」というという話を耳にし、ふと社労士のことを思い出しました。
もし、こういうことが自分の会社で起こったら、相談先は弁護士なのか、社労士なのか?
取りあえず、高倉社労士が来週来ることになっていたので、聞いてみることにしました。
田中社長
成田市で社員5名の会社を経営している。
先日誕生日を迎えたところ、従業員がサプライズでお祝いをしてくれた。
こんな従業員の為にも、もっと会社を成長させたいと思っている人情派の社長。
高倉社労士
成田市で社会保険労務士をしている。
千葉県と成田市が大好き。
学生時代はサッカーのゴールキーパーをやっていた。
その時の名残りか、「会社を守れる社労士になる」が口ぐせ。
今日は2回目の打ち合わせで、雇用契約書を見直すことになっている。
本題に入る前の雑談の1コマを覗いてみました。
社長:先週、成田市の経営者が集まる場で、「辞めさせた社員が未払い残業代を払え」と
いってきた話を聞いたんだ。
もし、そのようなことがうちの会社で起きたら、高倉社労士に相談すればいいの?
それとも弁護士に相談するべきなのかな?
高倉:それはお困りでしょうね。
まぁ社長の会社でそのようなことが発生したら、私にまず相談してくださいよ。
社長:でも、最近は電車の中で見かける広告にも、「労務問題なら○○法律事務所」って、
弁護士の文字を見かけるじゃないですか。
高倉:そうですね。
弁護士と社労士では、労務トラブルにおける役割が違うというイメージを持って
もらったほうが良いかもしれません。
社長:それってどういうこと?
高倉:これは自分の私見なんですけど、
弁護士
問題が外部へ出ってしまった、つまり訴訟案件になってしまったときに、
主に金銭解決を前提とした解決を代理してくれる専門家
社労士
問題が発生しないよう、または発生した問題について内部解決を目指すために、
経営者に助言・支援をしてくれる専門家
というイメージですかね。
社長:じゃあ、裁判になってしまったら、社労士はお手上げってこと?
高倉:社労士は訴訟の代理人にはなれないので、後方支援という役割になってしまいますね。
それでも、弁護士と連携して証拠資料の準備であったり、会社側主張を裏付ける為の
お手伝いをすることもあるので、お手上げってことではないですよ。
社長:日頃の小さな労務相談やトラブル問題は社労士、裁判になってしまったら弁護士、
という感じなのかな。
高倉:簡潔に言うと、そのとおりです。
もちろん弁護士の先生でも、日頃の労務相談についてアドバイスできますが、
社労士の方が会社内の人事・労務に密接した仕事を日頃からやっているので、
まずは社労士に相談してもらうことで良いと思いますよ。
社長:じゃあ、うちで労務トラブルがあったら、まずは相談させてもらうよ。
発生しないに越したことはないんだけどね。
高倉:日頃のコミュニケーションが重要ですよね。
社長:そう、そこだよね。
会社をサポートする専門家・士業はいくつかあります。
弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士
それぞれの士業で専門分野が異なりますし、同じ士業の中でも先生により得意としている分野があるかと思います。
社会保険労務士の中にも、給与計算や保険手続きを得意としている先生もおりますし、労務問題や就業規則を得意としている先生もおります。
私は、社会保険労務士は「人事に関するかかりつけのお医者さん」みたいなイメージだと思っています。もし、かかりつけ医の手に負えない事態(裁判等)になってしまった時には、専門医である弁護士先生をご紹介しつつ、かかりつけ医としての立場でサポートを継続させて頂きます。
税理士の先生とお付き合いされている会社さまは多いかと思いますが、ぜひ社労士とのお付き合いもご検討ください。人事・労務面から会社さまをサポートさせて頂きます。